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クリスタルのかけらに眠る勇者の心

クリスタルのかけらに眠る勇者の心

少年は探偵を夢見る

少年は探偵を夢見る」芦辺 拓
少年は探偵を夢見る

ご存じ?名探偵兼貧乏弁護士の森江春策の若き日の物語。小学生の頃から社会人になるまでのエピソードを短編連作でまとめられている。かつて探偵小説(ミステリとは敢えて言わない)に読みふけった作者の思い入れが伝わってくる。
「少年探偵はキネオラマの夢を見る」<br>小学生の森江君がが主人公。そのうえ、怪人、迷路、とくれば、乱歩のアレだ。学校の図書館で借り、ワクワクしながら読んだ透明人間、人間豹、青銅の魔神など一連の少年探偵団。まさにそのオマージュ。おどろおどろした雰囲気を味合わせてくれる。「キネオラマ」この言葉の響きが何ともよい。<br>
「幽鬼魔荘殺人事件と13号室の謎」<br>中学生になった森江君が活躍。黒死館、ドグラあたりのパロディ効果を狙ったのか、ワトソン役というか単なる狂言回しの探偵小説作家志望の男のしつこい語り口に閉口。かたりオタッキーなミステリ小ネタが出てくるが、ほとんど判らなかった。ベイカーストリートぐらいならともかく他は地名まで覚えていられるか。トリックについては、総論では誰でも判ると思うが、詳細はかなりくどい。<br>
「沖警部補自身の事件」<br>
大学生時代。それだけ。」<br>
「街角の断頭台」社会人(新聞記者時代)。ギロチンの登場。乱歩趣味か。<br>「時空を征服した男」社会人(弁護士になった後)。ラストがSF的マルチ解釈かな。
 少年時代の2作の文体模写は好き嫌いが分かれるところだと思う。



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